甲状腺
耳鼻咽喉科頭頸部外科領域で扱う様々な腫瘍の浸潤様式や、その発端となりうる腫瘍の形態異常を検討し、浸潤・転移の初期にはどのようなミクロレベルの血管形態の変化があるか、および局所における腫瘍関連細胞のクロストークをin vivoで観察します。
耳
発達期の聴覚中枢において、外界からの感覚入力により対応する神経回路が発達することが知られています。これは音声言語の認知・表出の獲得に密接に関わっているとされています。聴覚中枢におけるこのような機能は、生後に音声を聴取することで発達し形成され、かつ再編成の時期を経て固定されます。
一方で、大脳皮質における神経回路の発達が感覚入力の操作により影響を受けることは、視覚野などを用いて多くの知見が報告されています。大脳皮質に存在する神経細胞の樹状突起の形態は、神経細胞が受ける入力の種類や性質を決め神経回路の働きを規定するとされており、発達期早期にどのように形成されるかを知ることは、神経回路の成熟メカニズムを理解するために不可欠です。
当部門では、中耳真珠腫や癒着性中耳炎などに対してその成因を究明するため、air-liquid interface methodを利用した三次元培養による鼓膜表皮や、温度応答性培養皿を用いた鼓膜の作製を行い、種々のサイトカインやケモカインを反応させる、あるいは物理的な刺激を加えることで、実験的に真珠腫や癒着性中耳炎のモデルを構築する試みを行っています。